飛騨はほぼはじめてだという二人。
落ち着いた街並みにいいところだね、と気に入ったタモリさん。
今日のお題は、
飛騨〜アゲアゲの飛騨!そのヒミツは?〜」
郷土史家の方が案内人です。
「飛騨には、観光客が非常にきて、あげあげ」だといいます。
今日はその秘密を探ります。
Contents
ブラタモリ(飛騨)平安時代「延喜式」では「下の国」だった
平安時代の古文書「延喜式」を見せてもらいます。
古文書の中では、飛騨は「下の国」
当時は米の収穫で国のランクが決まっていたのです。
【ナレーション】
今の飛騨は、美しい景色、飛騨牛、研究施設とアゲアゲですよね。どうしてこんな飛騨になったのでしょうか?
ブラタモリ(飛騨)飛騨高山、舌状台地にできた金森長近の城下町
「ここを通学するのはいいよね。重要文化財の前を行くんだよ」
まっすぐの道のつきあたりに山。
「あそこが城?」と言い当てるタモリさん。
高山の城下町が出来て、江戸時代には人口が1万人以上になったそうです。
「城主は金森氏。地形を気にしながら城下町を作ったんですね」と案内人の方。
古い町並みは1本ではなく、町中がこんな。
産婦人科のあとも!
「こんなところで生まれるなんていいね」
少し歩いていくと、坂が!
この坂が地形のヒントです。
ここからは、飛騨地学研究会の岩田修さんが案内。
「坂はどのようにしてできたのでしょうか?」
いきなりの質問で、さすがのタモリさんもわかりません。
地図を見てわかりました。
坂の下(さっき歩いていたところ)が町人町。
今通っている坂の上が、武家の町。
宮川という川が、昔はこのあたりを流れていて、川の浸食によってできた坂なのです。
もう一つ、江名子川、という川もあって、武家地の向こう側にも坂がある。
「この地形は舌状台地ですね」とタモリさん。
「絶好調ですね」
舌状台地の上に武家地を作ることで、高いので攻められにくく。すぐ下に町人町もつくれて便利!とてもいい地形です。
「でも、いくら地形がよくても、米もできない飛騨に、どうして金森長近は城下町をつくったのでしょう?」
ブラタモリ(飛騨)河原で発見!ヘデンベルグ輝石とは!?
秘密をさぐるため、車で長距離移動!
河原にきました。
「この河原に秘密の医師があるので、探してみてください」
不思議な石をタモリさんが発見。
表面に結晶が出ているこの石は、磁石を近づけると、くっつきます。
「鉄を含んでるんですね」
「この鉱物は、ヘデンベルグ輝石」といいます。
「低いところにあったこの鉱物は、隆起してできたんですよ。アゲアゲでしょう?」
この鉱石があるところには、他の鉱石もある。
金・銀・銅と鉱山が多かった飛騨。飛騨は、米だけだと3万石だが、鉱山をいれて10万石だった。
銀はやがて堀りつくしたが、ここの神岡鉱山は、明治以降は東洋一の亜鉛鉱山となった。
しかし、海外の安い鉱石におされたり、公害問題もあり、昭和の終わりには、鉱山は勢いを失った。
ブラタモリ(飛騨)スーパーカミオカンデはなぜ飛騨に?飛騨片麻岩が重要
しかし、現代のあげあげもあります。
次に向かったのは「スーパーカミオカンデ」
なんで飛騨にあるのでしょうか?
ヘルメットをかぶって、坑道を車で進みます。
入口から2キロのところで、車を降ります。
「岩盤に注目してください」
岩石にしま状の模様が!
「片麻岩?」
「よくおわかりになりましたね」
ハンマーでたたくと硬い!
「コンクリートの5倍は強度があるので、この空間を維持しているのです」
飛騨片麻岩について、案内人の岩田さんが説明。
地球にパンゲア大陸があったころ、プレートがぶつかりあったところが飛騨。中の石は圧縮され、熱もかかって、岩の性質が変わり、飛騨片麻岩ができた!
この岩と、この岩を掘るために飛騨で培われた岩盤を掘る技術が、スーパーカミオカンデにつながりました。
スーパーカミオカンデ実験区域へ!
東大宇宙線研究所の中畑さんがここからは、案内。
メインの装置があるエリアへ。
ここは、少しの光も入れられない空洞タンクの上の部分だそうです。
VRでタンクの中を見せてもらいます。
直径39.3m、高さ40mの空洞に1万個の光電子増倍管が並んでいます。
光を増幅できて、これ一つで、月でつけた懐中電灯の光を捕まえられる性能がある。
つかまえようとしているのは「ニュートリノ」
原子を細かくわけると、これ以上わけられない素粒子。
「実は、毎秒数百兆個のニュートリノが体を取りぬけているんです」
ほとんどが通り抜けるニュートリノですが、たまーにタンクの中の水と反応するので、それを観測。一日30個のニュートリノがつかまります。
他の粒子は、地下にくるまでにとまってしまい、ここまで来るのはニュートリノくらい。
ニュートリノを捕まえるためには、こんなに深いところに巨大な空洞を作る必要があったのです。
未来のあげあげについて、別の研究員さんが語ります。
これから、今の倍のカミオカンデ(ハイパーカミオカンデ)を作ろうとしています。
世界の研究者から注目されています。
「一日30個でもいいように思うけれど?」
「ニュートリノが宇宙を作ったという仮説があり、それを解き明かしたいんです。宇宙はビックバンからはじまった。ビックバンの時には、物質と反物質ができたというのが、今の定説です。物質と反物質は出会うと消えてします。生まれるときも、消えるときもペア」
「物質と反物質がペアなら、やがてすべて消えてしまうはず、しかし、われわれがいることが矛盾。この謎をとくのがニュートリノなんです」
飛騨の岩石と鉱山が結びつきこのようなカミオカンデに結びついた。
最後のまとめのタモリさん。
「最初は下の国だったのに、町中を見てから、いきなりここまで来て、時代を駆け抜けましたね。すごい勢いであがったね。アゲアゲですよ」
番組サイト
「飛騨〜アゲアゲの飛騨!そのヒミツは?〜」
平安時代には「下の国」とも言われた飛騨が今や人気観光地として“アゲアゲ”になった秘密をタモリさんがブラブラ歩いて解き明かす▽ノーベル賞を2人生んだ最先端施設へ! 「ブラタモリ#169」で訪れたのは岐阜県・北部の飛騨地方(高山市・飛騨市)。平安時代の延喜式には「下の国」と記されていた飛騨が“アゲアゲ”に発展した理由を探る▽飛騨高山の古い町並みを歩いて、城下町をつくった地形の秘密を探る▽河原で発見!飛騨のカギをにぎるヘデンベルグ輝石とは!?▽最強の岩?飛騨片麻岩が飛騨をアゲアゲにした!?▽スーパーカミオカンデはなぜ神岡町に作られた?最先端施設で宇宙の謎に迫る!